新しいゲームジャンルを知っているか
RPG、カードゲーム、FPS、シミュレーション…さまざまなゲームジャンルがあり、それぞれに人気作品があります。
特に今人気なジャンルは「APEX Legends」といったFPSでしょうか。オタクたちは銃でババババッと撃つのが楽しいんでしょうね。
今回は、新しいゲームジャンルと称し、知ってほしいのがあります。
それが「オートチェス」というもの。
これがめちゃくちゃ楽しいんですわ。
オートチェス?自動で行うチェス……?Automatic……?
いまいち面白さが文字面だけでは伝わりにくいのでこれから一つ一つ説明します。
オートチェスとは!!!!!!
「自動で戦う駒♟をお金を使って買い、誰よりも強い盤面を作り上げるゲーム」です。
自動で戦う駒を買う、ということは課金しなければならないのか?と思うかもしれませんが、最初に言うと、そんなことはないです。
ここで言うお金は人生ゲームなどにおける通貨のようなもの。ゲーム内通貨を使うだけです。
課金要素はもちろんありますが、ゲームの根底に関わるものへの課金は必要なく、インストールしたら即遊べる!!!いわゆるPay to Winではない、と認識してください。
今回このゲームジャンルを説明していく上で、「Team Fight Tactics(以下TFT)」 というゲームを使用していきます。以下公式URL↓
https://jp.leagueoflegends.com/ja/featured/events/teamfight-tactics
基本的ルールは以下の通り。
自分を含めた8人で行う、フリーフォーオール(自分以外のプレイヤーが全員が敵の対戦形式)ゲームモード。ラウンド毎に負ければダメージを負い、0になったら敗北(基本体力100)。最後まで生き残れば勝ち。(公式サイトより引用。少し要約)
ルール聞いてもよく分かんね〜だろうと思うので細かく説明しましょう。
1.自動で戦う駒♟
駒♟について。
オートチェス系のどのゲームにも共通としてあるのは、駒によってHPや火力、攻撃射程(範囲)、速度などといった基本能力と固有スキル、オリジンとクラスが決められています。そして、この駒らを買うわけですから、値段も決められてます。
画像で説明しましょう。
こちらはTFTにおける駒の一つ、「ヴァイ」です。これから分かることを整理します。
▲ 3G(ゴールド)
▲ オリジンは「サイバネティック」(以下サイバネ)
▲ クラスは「ブローラー」
基本能力やスキルは割愛します。
値段は3ゴールドなんだ、ふーんと思っといてください(ちなみに1G〜5Gまであり高いほど強い駒です)。
ここで説明させてほしいのは、オリジンとクラスです。
サイバネの駒は3つ以上集めればサイバネのシナジーが発動、ブローラーの駒2つ以上集めればブローラーのシナジーが発動します。
詳しく説明しましょう。
ブローラーのシナジー効果は「体力上限を上げる」ことです。
「ブローラーの駒①」と「ブローラーの駒②」を同時に盤面に出せばシナジー効果が発動し、ブローラーの駒の体力が上がります。(蛇足ですが、4つブローラーの駒を集めればさらに上がります)
最初に、駒を集めて盤面を作り誰よりも強い盤面を作るゲームだと説明しました。
駒らの持つオリジン・クラスシナジーを発動させないとそもそも勝てません。
ゲームが進行していく中で、シナジーが最大限発動した盤面を作ること、そして最後まで生き残ることが最終目的になります。
シナジーにはいろいろあります。
例えば物理防御をあげる、クラスシナジーの「ヴァンガード」。2つ集めればシナジーが発動、さらに4つのヴァンガードの駒を集めればさらに物理防御が上がる、などなど。
▲ここで注意。
先に挙げた「ヴァイ」の駒を3つ集め盤面におけばサイバネとブローラーシナジーが発動する!……わけではないということ。
必ず違う種類のサイバネの駒ないしブローラーの駒を盤面に置かなければなりません。
じゃあ同じ駒を買う必要ないじゃん、と思うかもしれません。
意味はちゃんとあります。なんと3つ同じ駒を集めれば進化し、先に明示した基本能力などが上がります。盤面強化して勝ち続けるゲームなので、どんどん同じ駒は集めていくことも必要になります。
★1のヴァイ。3つ集めると… ↓
★2になって基本ステータスなどが強化されます。少し大きくなりましたね。
★1×3駒→★2×3駒→★3(つまり、同じ駒を9つ集めれば★3になる)
同じオリジン・クラスの駒を集め、さらに同じ駒を集める……なんかに似てませんか?
そう、麻雀です🀄️。
ゲームが流れていく中でじっくりと順子や刻子を揃えていき、最後には役(満)を完成させます。
似ている要素はこれだけではないです。
それぞれの牌が4つずつと限りがあるように、オートチェス系ゲームの駒にも数に限りがあります。
同じプール内の駒を、自分含めた8人で奪い合うわけですから、同じシナジーが発動する盤面(以下、便宜上構築と呼ぶ)を何人も作ることは難しくなります。
2.お金を使って買う
オートチェスの主役である駒について説明しました。ここではゲームの流れなどについて説明します。
〇TFTでは最初に使う1ゴールドの駒とアイテム(後述)を8人で奪い合います。
いわゆるドラフト。回転寿司みたく駒が回っているので日本サーバーでは「寿司」呼ばれています。駒の上に表示されているのがアイテム(素材)です。
この寿司はゲーム中何回かあります。
最初に使う1G駒を手に入れたら、自分の盤面に戻り、NPC戦が3戦あります。そのあとに7人の対戦者と、1人ずつランダムにラウンドを戦っていきます。
✖は対人、歯車は先ほどの寿司、モンスターみたいなのはNPC戦です。
対人5回(寿司挟む)→NPC戦1回の繰り返しになります(NPC戦ではアイテムドロップなどがされる)。最初のNPC戦は対人戦に向けての準備みたいなものです。
▲対人戦について
説明する順番がいろいろと前後してます。申し訳ない。
駒を買って盤面に並べ、対人ラウンドをこなしていきます。
さて、このゲームのジャンルはオートチェスです。つまり、戦闘が始まったらオート戦闘になります。どちらか一方の駒が全滅すると戦闘終了。
勝てば相手のリトルレジェンド(プレイヤーのアバター)にダメージを与え、逆に負けると自分がダメージを受けます(基本的に、生存駒の数+ラウンドに応じた固定ダメージを与える)。
HP100から勝ったり負けたりして、HP0になったプレイヤーから脱落し、最後まで生き残るのを目的とします。
戦闘中はプレイヤー側から盤面に干渉できることは基本出来ません。見守ることしかできませんが、敵味方の配置を観察し、駒の相性や有利不利を確認・分析しておく時間になります。
ラウンド毎に30秒の準備時間・ショップの更新、G(ゴールド)が渡されます。
駒を買うためのショップとお金です。
真ん中上が所持金、1回ごとに5体の駒が並んでいる。
ラウンド毎に更新されるショップで駒を集めながら盤面を強化、理想の構築を目指します。(すぐには使わない駒もベンチに置いておくことはできます)
お金の使い道について説明します。
お金(G:ゴールド)は、
①ショップで駒を買う。
②ショップをリロールする(品揃えを変える)
③経験値(XP)を買う。
という用途があります。
①に関しては先述したとおり。
②について。
プレイヤーは欲しい駒がショップにない場合、2G払ってショップを更新できます。これはGがある限り何回でも可能で、盤面強化や駒の進化を図ります。
③について。
盤面に並べられる駒の数はレベルで増えます。レベル1なら1体だし、レベル5なら5体並べられます。
ラウンドが進行するごとに経験値は2XPもらえますが、レベル先行して1体でも多く並べ、シナジーを多く発動させたいなら経験値を買う手もあります(4Gで4XP買える)。
レベルを上げる利点は、下の2点。
・駒を多く盤面に並べられる(シナジーが多く発動できる)。
・高Gの駒が出現しやすくなる。
じゃあ、ラウンド毎にもらえるゴールドで駒を買ったりリロールしたり経験値を買ったりしたらいいの?と問われれば首を振ります。ゴールドの役割はそれだけではないからです。
お金を貯めることも選択肢の一つです。
なんとこのゲーム、経済の勉強もできるんです。
基本的に10G貯めるごとに+1G多くもらえます。つまりは、
10G +1G
20G +2G
…
50G +5G
と上限50Gまでですが、貯めたままラウンド終わると利子が追加でもらえます。
ラウンド終わり間際に、ベンチにある不要な駒を売るなど利子がもらえるように所持金を調整することも大事です。
このやりくりが最高に面白いんですよ。
他にも連勝ボーナスや連敗ボーナスなどにより、追加でゴールドがもらえる場合も。
駒を売ることも買うことも、常にできます。
基本的に★1の買値と売値は一緒ですが、3体同じ駒を買って進化した(★2)場合、合計買値>売値になってしまう場合もあります。
なので、一生使わないであろう駒を進化させてしまい、もったいない精神でベンチに腐らせておくのは金の無駄であり、ベンチの枠の無駄でもあります。
うまく所持金と相談しながら目指す構築を作り上げることが大切です。
3.盤面
先に、オートチェスは麻雀みたいだよーと言った気がします。正しくもあり、違います。
構築(役)を揃えるだけで勝ち!なら麻雀です。それだけでは勝てないゲーム。
さらに必要なのは、配置とアイテムです。
▲配置について。
盤面は上のようになっています。
駒は射程やHPなどがそれぞれ決められている、と説明しました。その基本能力を活かす配置を考える必要があります。
例えば、射程は長いがHPが低い駒を前衛に置くことは適しません。攻撃やスキルを発動する前に倒される確率が高いからです。
逆に、射程は短いがHPが高い駒を後衛に置くことも適しません。攻撃が届くまでの移動時間がもったいないからです。
どのキャラが前衛か後衛なのかはやっていくうちに覚えられるかと思います。
駒によってはこんなスキルがあります。
簡単に言うと、戦闘が始まってすぐ一番遠くにいる駒を引っ張りながらダメージとダメージを与えた駒に一定時間行動不能を与えます。
つまり、後衛から火力を出す駒を無理やり前衛に引っ張り出し,、倒すことでその駒に仕事をさせないスキルです。
射程が長い駒は体力が少ない場合が多いです。
ですが、スキルの受け先を意図的にHPの高い駒にしたらどうでしょう。引っ張った先で返り討ちにするかもしれません。
間違っている配置が正解になる場合もあります。
配置が関係するアイテム(装備)もあります。
アイテムは、NPC戦などから素材を入手しそれを合成して駒に装備させることができます。
装備に関しては、正直中級者〜上級者向けの項目で、紹介記事には合わないので割愛します。
覚えていてほしいのは駒ごとに適切な装備があり、それを装備できるかできないかで勝敗が決まるぐらい、重要な要素だということです。
ここでは、配置に関するアイテムを紹介し、配置って大事だよってことを書きたいと思います。
これは非常にユニークなアイテムで、
簡単に効果を説明すると、これを持つ駒の対角線上にいる相手の駒を、対戦開始時に5秒ほど浮かせられます(つまり、一時的に無効化)。
この5秒というのが意外と長くて、装備をたくさん持った強い駒が浮かされることで最初から戦闘に参加できず、参加したころには盤面が壊滅状態で負けてしまう、ということもあります。
配置は重要です。
このゲームは、ライバルたちの構築・盤面を覗くことができ、たまに覗いてライバルの構築や配置を随時把握するのも大切です。カードゲームにおける相手の手札を覗き見れるなんて割とすごいですよね。
ゼファーを持っているから避ける配置したり、逆にゼファーを持っているから盤面を覗いて相手の強い駒を浮かす配置にしたり。配置の読み合いで逆の逆をついたりなど、配置をやりくりするのも面白い要素です。
さて、基本的なことについては語り尽くしたと思います。
まとめます。
・8人で行うバトルロイヤルゲーム。ラウンド毎に負ければダメージを負い、0になったら敗北(基本体力100)。最後まで生き残れば勝ち。
・Goldで駒や経験値を買って構築を完成させ、盤面に並べる。
まあこんなもんでしょうか。
ここまでの説明で面白そう!だとか、やってみたい!と思ったかどうかは分かりません。覚えることいっぱいあるし、踏み込みにくいでしょう。
実際、欠点がいくつかあります。
・知識がないと勝てない。
どのゲームでも一緒でしょうが、ある程度の基礎知識は必要です。そしてこのゲームはその基礎がとても多くて、覚える前にやーめた!ってなるのかなーっと危惧してます。
・試合時間がクソ長い。
1試合約35分ぐらいかかります。スマホでゲームが気軽にできる時代に対して、最初から最後までやるには時間がかかりすぎます。電車移動などの短い時間にやるには長すぎるのが難点。
まあ欠点挙げちゃいましたけど、実際自分もそう思います。覚えることがたくさんでひぃひぃ言いながらプレイしてきました。
駒の数が多い!!シナジーも多い!!リロールのタイミングは!?配置は!?アイテムはどうすれば!?覚えるのに結構時間かかりました。
通勤時間に収まることがほとんどないプレイ時間で、電車から降りた後駅のベンチで終わりまでやったりと隙間時間を活用できないのは少しアレかなと思います。
確かに考えることは多いです。が、その「考えること」そのものが楽しくなるゲームである、と私は思います。
どの駒を買ってどのシナジーを選択するか、ゴールドの使い道は?経験値を買ってレベルを上げる?それともリロールして盤面の強化?あと配置は?アイテムは?
ランダム性が非常に強いゲームジャンルでもあります。ショップもランダム、ドロップアイテムもランダム……毎ゲームごとに違う展開になります。
ゲームが進行していくごとに出来上がっていく盤面やアイテムを見て、将来の構築を見据えていく応用力やアドリブ力が試されるゲーム、そして短い時間の中で判断する決断力のゲーム。
オートチェスの魅力とは考えることが至高である。
つまり、「思考は至高」だということです(激うまギャグ)。
毎ターン30秒という短い時間の中で、
・ショップから駒を買い ・配置を決め ・アイテムを選択する など多くのことをこなしていきます。
無限にある選択肢のなかで、毎回違う展開の中で試行錯誤しながら自分なりの戦略で1位になる!
ランダムに進行していくゲームの中で自分の戦術が間違いではないことを証明する、それが最高に気持ちよくて病みつきになります。
それとブログの表題にあるように、オートチェスは新しいゲームジャンルです。
何が言いたいかというと、プレイヤーのほとんどはオートチェスを始めたてのルーキーだということです、
このジャンル、1年ちょっとしか経っていません。歴史の浅いジャンルです。PCでしか遊べなかったTFTもようやくスマホでも遊べるようになり、iOS版がことし3月ごろにリリースされました。
FPSや格闘ゲームは昔からあるジャンルで、経験がものを言います。
長年やってきたプレイヤーが多くいる愛されてるジャンルであるのは間違いないですが、初心者は踏み込みにくいと感じることもあるでしょう。(初心者狩りが多く楽しむ前に辞めてしまう、という問題も)
先に述べたように、初心者が多いです。なので、ある程度簡単に周りのプレイヤーと腕を磨きながら着実に実力をあげられるゲームジャンルなんじゃないかな、と思います。
オートチェス。今はやりのバトロワ系FPSなどとは毛色の違うジャンル。
ポケ〇ンの進化などをうまく使って新しくできるとまたよさそうです。
蛇足
最近政府の金でPCを買い、TFTの配信も始めたのでよかったらどうぞ。
Twitchでやってます。→https://www.twitch.tv/mispit0000